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SES会社とは?種類・大手の例・見分け方と社内の仕事

SES会社とは

SES会社とは、自社のエンジニア(社員やBPの要員)をお客様先に常駐させ、準委任契約で技術の提供を行い、その対価を月額の単価で受け取る会社のことです。SESは「システムエンジニアリングサービス」の略で、仕事の完成を約束する請負とは違い、決めた範囲の作業を行うこと自体に料金が払われます → SESの準委任契約。

客先で働く形は派遣と似ていますが、契約の仕組みが違います。

SES(準委任)派遣請負
何に対して払うか作業の遂行働いた時間完成した成果物
現場での指示を出す人所属するSES会社派遣先のお客様請け負った会社
完成の責任負わない負わない負う
国の許可不要労働者派遣事業の許可が必要不要

SESでは、お客様がエンジニアに直接作業の指示を出すことはできません。実態として発注側が指揮命令をしていれば、厚生労働省の基準(昭和61年労働省告示第37号)に照らして労働者派遣と判断されることがあり、いわゆる偽装請負になります。客先に常駐していても、仕事の進め方や勤務時間の管理を誰がしているかで、SESか派遣かが分かれます。

商流による会社の種類

SES会社と一口に言っても、商流のどこにいるかで仕事の中身が違います。

種類特徴
元請けに近い会社エンド企業や大手SIerと直接取引し、自社の社員を中心に出す。チームで入ることが多い
中間の会社元請けから案件を受け、自社の社員とBPの要員を組み合わせて出す
BP中心の会社自社の社員は少なく、取引のある会社やフリーランスの要員を上の会社につなぐ
小規模なSES会社社員数人〜数十人。社長が営業も契約も請求も見ていることが多い

会社の成り立ちで、独立系(特定の親会社を持たない)、メーカー系(電機メーカーなどの子会社)、ユーザー系(銀行や商社などのシステム子会社)と分けることもあります。メーカー系・ユーザー系は親会社の案件を元請けとして受け、その一部を外の会社に出す立場になることが多く、独立系のSES会社はその下で案件を受ける形がよく見られます。商流の仕組みは別のページで詳しく書いています → SESの商流。

大手・中堅の例

客先常駐の技術者サービスを手がける上場企業のうち、決算短信で数字を確かめられた会社を、証券コードの順に載せます。いずれも客先常駐の技術者サービスのほかに受託開発や製品販売などを行っている会社で、売上高はSES事業だけの数字ではありません。順位をつける意図もありません。

会社名決算期連結売上高連結営業利益
株式会社システナ2026年3月期944億円153億67百万円
株式会社DTS2026年3月期1,352億13百万円164億34百万円
株式会社NSD2026年3月期1,178億13百万円190億73百万円

(出典:各社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」)

一方で、SES会社の大半は社員数十人規模の会社です。上場企業のように事務の部署を持たず、社長と数人の営業・事務で回している会社が多く、会社の中の仕組みは規模によってかなり違います。

良い会社とブラックな会社の見分け方

求職者の立場から見ると、確かめておきたいのは次の点です。

  • 商流:エンド直や一次請けの案件がどれくらいあるか。商流が深い案件ばかりだと、単価も給与も上がりにくくなります。
  • 還元率と評価:単価と給与の関係(還元率)や評価の基準を説明しているか。還元率は分母と分子に何を含めるかで意味が変わるので、計算の中身まで聞くのが確実です → SESの単価。
  • 案件の選び方:本人の希望やスキルを聞いて案件を提案しているか。テストや監視ばかりが長く続く会社は、経験の幅が広がりにくくなります。
  • 待機中の給与:案件がない期間の給与の扱いを、就業規則や労働条件通知書で確かめます。会社の都合で休ませる場合、労働基準法26条により平均賃金の60%以上の休業手当が必要です → SESの待機。
  • 働き方の条件:みなし残業の時間が極端に長くないか、年代の偏りがないか(若手ばかりで中堅以上がいない会社は離職が多い可能性がある)も見ておきます。
  • 契約の実態:現場で誰が指示を出しているか。お客様が直接指示している状態が続くと、偽装請負のおそれがあります。

取引先としてSES会社を見る場合は、契約書と注文書がきちんと交わされているか、支払いの期日が守られているか、BPの請求書の扱いが正確か、といった事務の確かさも見られています。支払いが早いことが、BPから選ばれる理由の一つになっているのでは、という声も伺います → SESのBP。

SES会社の中の仕事

ここからは、SES会社の中で毎月どんな仕事が回っているかを書きます。外からは見えにくい部分ですが、会社を続けるうえで欠かせない仕事です。

営業:案件と要員を結びつける

営業の仕事は、上の会社やエンド企業から案件を受け取り、自社の社員やBPの要員を提案して、面談を経て参画を決めることです。案件情報と要員情報はメールで毎日大量に流れていて、条件の合う組み合わせをどれだけ早く出せるかの勝負になります。面談を20件こなして決まったのは1件だけだった、という月のお話を社長の方からよく伺います。フリーランスの方は何社にも登録していることが多いので、提案の速さで決まることもあります。

参画が決まったあとも営業の仕事は続きます。現場のエンジニアの様子を聞き、契約の更新や単価の交渉、次の案件の準備をします。1人だけで入っている現場は終了になりやすく、複数人で入っている現場は長く続きやすい、というお話もよく伺います。

採用:社員とBPの両方を集める

採用は、社員の採用と、BPやフリーランスとのつながりづくりの両方があります。社員は待機のリスクを会社が持つ代わりに粗利が大きく、BPは粗利が小さい代わりに待機の負担がありません。どちらに比重を置くかで、会社の利益の形が変わります → SESの利益率。協力的なパートナーが10人ほどいたのに、長く待たせているうちに他社で決まってしまい、いまは1〜2人になった、という声も伺います。

契約:基本契約と注文書を管理する

取引を始めるときに基本契約を結び、案件ごとに注文書(個別契約)を交わします。SESの注文書は3か月ごとに巻き直すことが多く、取引先とBPの数だけ注文書の期限を追いかける必要があります。契約の前に決算書を求められたり、取引先の審査があったりすることもあります。契約書に何を書くかは別のページにまとめています → SES契約書。

月末の請求と支払い

毎月の締めでは、次の作業が続きます。

時期作業
月末エンジニア全員の稼働表(作業報告書)を集める。BPからも受け取る
月末〜月初精算幅に照らして超過・控除を計算し、お客様先ごとに請求書を作って送る
月初BP・フリーランスから届いた請求書を、注文書と稼働表に照らして照合する
翌月入金を確かめ、BPに支払う

稼働表がそろわないと請求書を作れないので、営業担当ごとに誰の稼働表がまだ届いていないかを追いかけるところから始まります。精算幅や端数の扱いはお客様先ごと、BPごとに違うことがあり、売りと仕入れで条件が違うと差額の計算も必要です → SESの精算幅。BPの請求書は、インボイス制度のもとで登録番号や税率ごとの消費税額などの記載を確かめる必要もあります。

社長の方からよく伺うのは、交通費を税込みから税抜きと消費税に分ける計算を何度も間違え、取引先が計算の道具まで用意してくれたのにまた間違えてしまった、というお話です。請求書の名義は社長なので、担当者のミスでも社長のミスと受け取られます。請求書や注文書がメールの添付で届く取引先と、URLから取りに行く取引先が混ざっていて、保存が手作業になり遅れる、という声もあります。請求書の作り方と確かめる点は別のページで書いています → SESの請求書。

お金と社会保険の管理

入金と支払いの時期がずれるので、手元の資金の管理も欠かせません。5〜6月は税金の支払いが重なり、手元の資金が大きく減った、というお話も伺います。社員の入場・退場の時期によっては、社会保険料の引き方で本人の手取りがマイナスになってしまうこともあり、給与と社会保険の処理は入場・退場の情報と合わせて確かめる必要があります。

請求の事務を任せるという選択肢

RY consulting は、SES企業の請求事務だけを引き受けています。御社の書式でのお客様先への請求書の作成、BP・フリーランスからの請求書の照合(相違があったところだけお知らせします)、営業担当ごとの稼働表の提出状況のお知らせ、月に一度の確認事項(入場・終了・単価変更)の確認を行います。御社にお願いするのは、稼働表と請求書を共有フォルダに入れていただくことと、月1回の確認事項へのご回答だけです。料金は月額でエンジニア10名まで50,000円、11〜20名70,000円、21〜30名90,000円、31名以上は個別にお見積りします(いずれも税別、初期費用100,000円・税別)。契約期間の縛りはなく、最短3営業日で作業を始められます。月末の請求を社長や営業が抱えている会社の方は、まずは15分で相談するところから始めてみてください。

出典

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